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心の静寂- 写経で心調う朝時間のススメ

マインドフルネスには興味があるけど、瞑想はいろんなことが頭に浮かんでしまって苦手、という方も多いですよね。私も数年前はそうでした。

瞑想は苦手だけど、心の静寂を感じたい、思考を解放したい、直感力を高めたいという方におすすめなのが「写経」です。

私は1年前から、ほぼ毎朝、写経をする時間を持つようになって1日の始まりが爽快になりました。

といっても、1日15分ほど。「般若心経(はんにゃしんぎょう)」がうっすら下書きされているものを、上から1日3行くらいずつ、ゆっくりと丁寧になぞる。それだけの時間です。

「般若心経(はんにゃしんぎょう)」は、276文字という短いお経で、仏教の智慧のエッセンスが詰まっているといわれているもの。

たとえば有名な一節、「色即是空、空即是色(しきそくぜくう、くうそくぜしき)」は、この世のあらゆるものは変化し、固定された実体はない──そんな“空”の思想を説いています。

頭で理解するのはなかなか難しいのですが、何も考えず、丁寧に手を動かし一文字ずつなぞっていくと、その世界観が静かに自分の中に広がっていくのを感じます。

写経は、ただ文字を写しているだけではなく、まず、姿勢を調え、次にゆったりと呼吸を調えて書き始めます。雑念が浮かばない状態で書いているうちに気づけば心も調っています。

まさに禅語の「調身・調息・調心」(心と体はつながっている。姿勢が調うと呼吸が調う、呼吸が調うと心が調う)そのものなんですよね。

自然と自分の内側に意識が向いていきます。

「調える」から始まる1日

ただ静かに座る瞑想が苦手な方も、「手を動かす」ことで自然と集中できる写経ならきっと続けやすいですよね。

私にとっては、この“朝の写経時間”は、1日の始まりのちょっとした儀式のようなもの。

心がシンとして、集中力が高まり仕事も捗りますし、アイディアも湧きやすくなります。

半年やってみて気づいたのは、なんとなくダラダラしてしまったり、朝、スパッと集中できなかったりした日というのは、写経をしてなかった日なんですよね。なので、朝のたった15分を大事にしています。

また、ときどきはお寺でも写経をします。

私のお気に入りは、鎌倉・長谷寺です。厳かな雰囲気のお堂で、静けさと澄んだ空気の中で文字と向き合うと、心がフッとやわらぎ、氣が高まるのを感じます。

お寺で写経をすると、書き終えたお経を「納経」として納めることができます。これは、書写したお経を仏さまへと奉納することで、祈りの一つの形でもあります。

ただ、般若心経の全文は一気に書こうとすると意外と時間も体力も使います。はじめての方は、お寺の写経は一度全文をご自身で眺めて、一気に書けそうかどうか考えてから試されると良いと思います。


静かな時間がくれた、あたらしい興味

写経を続けていくうちに、筆ペンを使うことが楽しくなってきました。

お気に入りの一筆箋に、好きな禅語を綴ったり、ちょっとした水墨画を描けるようになれたら良いなと、練習を始めました。

「心を調える」というのは、特別なことではなくて、ほんの少しの静かな時間があればできてしまう。写経は、そんなことを気づかせてくれる、静かな習慣です。

PS,
「いつも考え事で頭がパンパン」「つい、肩に力が入ってしまう」「自分をゆるめるのが苦手」その思考のストレス手放して、もっと心地いい生き方へ

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