マインドフルネス・禅

自分を思いやるチカラ・セルフコンパッション

「このままでは不安なのだど、自分がどうしたいかわからない」「なんとなくツライのだけど、どうすればいいかわからない」「毎日忙しく過ぎていくのだけど、このままでいいんだろうか?」と思う。現代の女性はこんなふうに悩んでいること、多いですよね。

仕事もプライベートも忙しく過ごし、自分で知らないうちに自分のことは後回しにして、周りの人のことを優先している人に多いようです。

自分を大切にしようというと、わがままになるとか、自分を甘やかすとか、他人より自分を優先することのように捉えて、気が進まない方もいるようですが、今日は、そうではなく、本質的に自分の本心に耳を傾け、そのままの自分を受け止める自分を思いやるチカラ、「セルフコンパッション」についてです。

私自身がとても救われましたし、今、もっとも関心が高く、人がよりよく生き、よりよく働くために、欠かせないと感じています。

セルフコンパッションとは?どんな効果があるのか?日常簡単にできるセルフコンパッションについて、今回はごくごく初歩的な入口の部分をお伝えしていきます(詳しく書くと本当に奥が深いので)。

日頃、何かと自分のことを後回しにしている方が、よりよく生き、よりよく働くために役立てもらえたら嬉しいです。

セルフコンパッションとは

コンパッションとは「思いやり」とか「慈しむ」という意味。セルフですので、自分を思いやる、自分を慈しむという意味になります。自分を思いやるセルフコンパッション能力を高めることで、不安やストレスを和らげる効果があることも研究され、心理療法にも使われています。

では、自分を思いやる、自分を慈しむというのは、どういうことなのでしょう?

友人にかける労わりの言葉を自分に

ちょっと想像してみてください。友達が仕事で失敗をした時、あなたはその友達にどんな声をかけるでしょう?「たまにはそういうこともあるよ」「普段、あんなに頑張っているんだから」「このくらいのことで、あなたの価値は変わらないよ」というような「労わる」声をかけませんか?

では、自分のことだったらどうでしょう?「こんなんじゃダメだ」「もっとできたはず」「なぜ、気づかなかったんだろう?」と自分を責める言葉が浮かびませんか?

セルフコンパッションはこうして他者にかける言葉を自分にも向けてみるということ。決して反省しない、という意味ではなく、友達にかける労わりを自分にもかける、そんなイメージです。

自分を犠牲にしない思いやり

思いやりというのは、自分に向けるものだけではなく、他者にも向けるものであり、また他者から受け取ることもあります。自分を犠牲にしたまま他者を思いやろうとすれば、つらくなってしまいます。また、他者から受け取ることも難しくなります。

あるがままの自分を受け入れる自己受容とは?自己肯定感との違い

自分を思いやるというのは、自己憐憫でも自分を甘やかすのではなく、ありのままの自分をなんの評価もせずに、認めることです。これを「自己受容」と言います。

「自己肯定感」というのは、自分にはできる、自分には価値がある、自分は必要とされている、と肯定的(ポジティブ)に認めることです。

「自己受容」というのは長所と短所も全てそのまま、ありのままの自分を認めるということ。病気をしていても、失敗をしても、でこぼこな自分そのままを認めるということ。自己受容ができていないと、自己肯定感も育たないのです。

セルフコンパッションの効果

セルフコンパッションの効果については様々研究されていますが、よく言われているのは、こんなことです。

・不安やストレスに強くなる、不安やストレスが減少する

・人生の満足感、幸福感を高める

・ネガティブな思考に振り回されなくなる

・レジリエンス(精神的回復力)が高まる

・行動力が増す

セルフコンパッションどうやるの?

今回は入門編としてお伝えしているので、簡単にできる「セルフコンパッション」の方法をお伝えします。

自分に手紙を書く

ステップ1
あなたにとって思いやりのある理想の人を思い浮かべてください(実在の人でも架空の人でもOK!)。

ステップ2
自分の失敗、嫌なところ、嫌なことを書く。感情を込めずにただ事実を淡々と書いてみてください。

ステップ3
ステップ1で思い浮かべた人が、ステップ2に対して思いやりのある手紙をあなた宛に書いたと思って、その人に成り切って自分宛に書いてみてください。

ポイントは、ちゃっちゃとやってしまうのではなく、実際に手紙を出すかのように丁寧に書いてください。書き終えて、受取手に成り切って読んだ時、きっと、あー自分はこういうことを言って欲しかったんだと思えるんじゃないかと思います。

ボディスキャン瞑想で体に感謝

日々当たり前に使っているあなたの体に意識を向け感謝する瞑想です。

夜寝る前などリラックスできるときに行うといいですね。

まず、体の力を抜いて横になったら、つま先から順番に意識を向けて行きます。

つま先、ふくらはぎ、太もも、そのままお尻、お腹、など上半身へ徐々に意識を移して行きます。腕、首、頭など全て行って行きます。

息を止めることなく、自然な呼吸を続けつつ、各々の箇所に意識を集中していきます。その際、今日も一日頑張ってくれた自分の体に感謝して行きましょう。

歩いてくれた脚、パソコンを打ってくれた手、たくさん考えてくれた頭、ちょっとつらいことがあったら、胸に手を当てて、心にも感謝しましょう。

このボディスキャン瞑想は、途中で眠ってしまうことも多いのですが、それはそれでOKです!めまいなどがひどく眠れなかった知人や寝付きの悪い方もこれをやると、眠ってしまうそうです。

PS, セルフ・コンパッションで一番おすすめは「慈悲の瞑想」なのですが、これは最初は馴染みにくい方も多いと思うので、別の機会に丁寧にお伝えしようと思います。

オススメの本・動画

いくつかおすすめの本などもご紹介しておきます。

●まず初めに一番読みやすい本です。

自分を思いやるレッスン~マインドフル・セルフ・コンパッション入門 岸本早苗著

著者について

公衆衛生学修士(ハーバード大学)。京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野客員研究員。臨床心理士、公認心理師。マインドフルCARE®︎代表。
大使館・英国総領事館など政府機関、医療機関、職能団体、企業、経営層等を対象にマインドフルネスを指導。アメリカにて日本人で初めてマインドフルネス&心理療法認定プログラムを修了。マインドフルネスストレス低減法およびマインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)認定講師(数少ない日本人MSC認定講師の一人)。医療従事者のためのセルフ・コンパッション(SCHC)講師。京大マインドフルネス&セルフ・コンパッション研究会 共同発起人。

●バイブル的な本です。

セルフ・コンパッション(新訳版)クリスティーン・ネフ著

著者について
自身の瞑想の経験から,セルフ・コンパッションを概念化したアメリカの心理学者の博士。

●自分にダメ出ししてしまう方はこちらを

6分で自己嫌悪が消えるセルフコンパッション(動画) 吉田昌生

著者について
一般社団法人マインドフルネス瞑想協会 代表理事
代表的な著書「1日10分で自分を浄化する方法〜マインドフルネス瞑想入門」

まとめ

セルフ・コンパッションについて、今回はごく入口の部分をお伝えしました。この続きはまた書いていこうと思います。

マインドフルネスやセルフコンパッションは、アメリカや日本の大学でもその効果や脳の仕組みが研究されています。ハーバードビジネスレビューで取り上げられていたり、医療現場で取り入られていたりするものです。

昨今、心身ともに健康に生きるWell-being(ウェルビーイング・身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)が注目されていますが、よりよく生き、よりよく働くために、あなたも活用されてみてはいかがでしょう?

 

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